リフィル処方箋とは?使い方と注意点を薬剤師がわかりやすく解説

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医療制度

「薬をもらうためだけに、毎回病院で1時間待ち……」——同じ薬を長く続けている方なら、一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。実はその通院、減らせるかもしれません。1枚の処方箋で最大3回まで薬を受け取れる「リフィル処方箋」という仕組みが、2022年4月から始まっています。制度開始から4年たちましたが、薬局の窓口で聞いてみると「言葉も聞いたことがない」という方がまだ大多数です。この記事では、実際にリフィル処方箋を応需してきた現役薬剤師の私が、使い方・注意点・4年たった今の実情を解説します。

リフィル処方箋とは?1枚で最大3回使える処方箋

「リフィル可」のチェックが目印

リフィル処方箋とは、症状が安定している患者さんについて、医師が認めた場合に繰り返し使える処方箋のことです。処方箋の下のほうにある「リフィル可」欄にチェックが入っていて、最大3回まで薬局で薬を受け取れます。たとえば30日分×3回なら、1回の診察で約3か月分の薬をカバーできる計算です。2回目・3回目は病院に行かないので、診察代がかからず、待ち時間もありません。アメリカやイギリスでは以前から当たり前に使われてきた仕組みが、日本でも使えるようになったのです。

使えない薬もあります

ただし、すべての薬が対象になるわけではありません。麻薬や向精神薬(睡眠薬・抗不安薬の多く)、発売から間もない新薬など投与量に制限のある薬と、湿布などの貼付剤はリフィルの対象外です。また、そもそもリフィルにするかどうかを判断するのは医師です。血圧や脂質異常症の薬などで症状が安定している方が主な対象になります。

使い方と注意点——「前後7日以内」がいちばんのつまずきポイント

2回目以降は受け取れる期間が決まっています

1回目は通常の処方箋と同じく発行日を含めて4日以内に薬局へ。注意が必要なのは2回目以降で、「次回調剤予定日の前後7日以内」しか受け取れません。たとえば30日分の薬なら、前回受け取った日の30日後を中心に、前後1週間の枠内で薬局に行く必要があります。早すぎても遅すぎても受け取れないので、薬局でもらう「次回調剤予定日」のメモやお薬手帳の記載は必ず確認してください。私の経験でも、この期間切れが実務でいちばん多いトラブルです。

同じ薬局に通うのがおすすめ

リフィル処方箋は2回目以降、原本を薬局に預けるか、自分で保管して毎回持参します。制度上は毎回別の薬局でも使えますが、リフィル期間中は医師の診察がない分、薬剤師が体調の変化を確認する役割を担います。同じ薬局・同じ薬剤師のほうが小さな変化に気づきやすいので、かかりつけ薬局を1つ決めて通うことを強くおすすめします。私たち薬剤師も、リフィルの患者さんには血圧の記録や気になる症状を必ずお聞きし、必要があれば「次は受診してください」とお伝えしています。

かかりつけ薬局の決め方や、薬局によって支払額が変わる仕組みについては、薬局の賢い選び方の記事で詳しく解説しています。

4年たった今、どのくらい使われている?

正直にお伝えすると、まだ少数派です。厚生労働省の調査では、リフィル処方箋を受け付けたことのある薬局は約7割まで増えた一方、発行したことのある医療機関は1割弱にとどまります。患者さん側の調査でも、約7割が「リフィル処方箋という言葉すら知らなかった」と回答しています。医療機関にとっては再診の機会が減る仕組みなので、医師側から積極的に提案されることは少ないのが実情です。国は2030年度までに認知度を大きく引き上げる目標を掲げており、診療報酬改定のたびに後押しが続いています。つまりこの制度、知っている人だけが得をしている段階なのです。

薬剤師からのアドバイス——まずは診察室で一言聞いてみて

リフィル処方箋に向いているのは、「症状が安定していて、毎回同じ薬が続いている」「仕事や介護で通院の時間を作るのが大変」という方です。逆に、体調が変わりやすい方や薬の調整中の方は、毎回診察を受けるほうが安全です。

使ってみたいと思ったら、診察のときに「この薬、リフィルにできますか?」と聞いてみてください。医師が難しいと判断すればその理由を説明してくれますし、OKなら次回から通院の負担がぐっと軽くなります。処方箋を受け取ったら、「リフィル可」欄のチェックと回数をその場で確認するのもお忘れなく。わからないことがあれば、薬局の薬剤師にもお気軽に相談してください。私たちはリフィル期間中のあなたの「かかりつけの窓口」です。

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