【体験談】転職ばかりだった私がフリーランス薬剤師になって働きやすくなった理由

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薬剤師

はじめに

「また辞めたの?」
「今度はどこで働いてるの?」
そんなふうに聞かれるたびに、胸のどこかがザワついていた。

薬剤師として働きはじめて20年。
総合病院、調剤薬局、ドラッグストア、企業…。
いろんな場所で経験を積んできたけれど、最も長く続いたのは6年。
他は1年〜3年で辞めていることがほとんど。

「私って、何をやっても続かないのかな」
「周りからどう思われてるんやろう」
そんなふうに、自分にダメ出しをしていた時期もある。

でも今、私は“フリーランス薬剤師”として働いている。
そして、はっきりと言えることがある。

「転職が多かったのは、“自分と向き合い続けた証”やったんや」と。

これは、転職歴の多さに悩んだ私が、
どうやってフリーランスという道にたどり着き、
その先にどんな景色を見たのか――その記録です。


なぜ私は転職を繰り返してきたのか

職場が続かなかった理由のひとつは、人間関係でした。
特に、上司や先輩との関係で悩むことが多かったんです。

私は、もともと「言葉の裏を読む」「空気を察する」ことにかなり敏感なタイプ。
それが行き過ぎてしまって、
「この言い方って何か意味あるのかな…」
「これをやったら不快に思われるかも…」と考えすぎて、
結果的に何も行動できなくなることが何度もありました。

その結果、周囲からは

「どうして動かないの?」
「やる気がないの?」

と誤解されてしまうこともありました。

「丁寧に仕事をしたい」「相手を不快にさせたくない」――そんな気持ちで動いていたのに、
逆に“慎重すぎて動けない人”という印象だけが残ってしまう。

そうして悩み、何度も転職を繰り返してきました。

でも今ならわかります。
私は、不器用だけど、人を大事にしたいタイプなんやってこと。
ただ、それを活かせる環境にいなかっただけなんです。


それでも薬剤師を続けてきた理由

「もう薬剤師を辞めた方がいいのかもしれない」と思ったことは何度もありました。
でも、それでもこの仕事を続けてこられたのは、患者さんや仲間からの「ありがとう」に支えられてきたからです。

特に印象に残っているのが、ドラッグストアで働いていた頃のこと。

そこでは社員やアルバイトの方たちと一緒に現場を回すことが多く、
時には、私よりも現場に詳しい人がいたり、リーダーシップを取ってくれる人がいたりしました。

でも待遇面では明らかな差がある。
そのことに疑問を感じながらも、私はできるだけ現場の仲間たちと対等に接し、信頼関係を築こうとしていました。

そうしていくうちに、「〇〇さんにいてもらえると助かる」「薬のこと、安心して任せられる」と言ってもらえるようになりました。

薬剤師という役割が、誰かの助けになっている――その実感が、私にとってのやりがいでした。

だから私は、辞めることなく薬剤師を続けてきました。
でも、「このままじゃ自分を活かしきれない」とも感じていました。


フリーランス薬剤師という選択肢との出会い

会社を退職して、子どもの世話をしながら失業保険を受け取っていた時期がありました。
時間に余裕はあるけれど、ただ日々が過ぎていくことに、もどかしさを感じていたある日。

たまたま参加したオンラインの薬剤師コミュニティで、
「フリーランス薬剤師」として働いている方と出会いました。

正直、最初はピンとこなかったけれど、
その方の話を聞いているうちに、興味が湧いてきました。

そんな時、その方から
「あなたの家の近所で短期のフリーランス薬剤師を募集してる薬局があるよ」と教えてもらったんです。

思わず「これって運命かも」と思いました。
そして私は、“お試し”のつもりでフリーランスを始めることにしました。


実際に働いて感じた“自由と責任”

フリーランスになって最初に感じたのは、
「自分に合った働き方を選べることのありがたさ」でした。

たとえば、私は電話対応がとても苦手
そこで、「電話にはできるだけ出なくてよいように」と事前に相談し、配慮してもらえました。

また、在宅業務は自分には合わないと感じていたので、それも契約前に伝えました。
結果、「外来のみ担当」という形で働けるようになりました。

さらに、子どもがいる私にとっては…

  • 急な遅刻や早退
  • 保育園・学校行事による休日調整
  • 決まった時間に帰れる勤務形態

こういった柔軟な働き方ができるようになったのは、
精神的にも体力的にも、本当に助かっています。


フリーランスの責任もある

もちろん、自由には責任も伴います。
私は今、個人事業主として働いているので、こんなことも自分でやっています。

  • 勤務時間を所定の形式でまとめて報告
  • 年度末の確定申告(収支の記録・管理含む)
  • 国民健康保険への加入(家族がいる場合は負担大)

「自分で決められる」というメリットがある一方、
「誰も守ってくれない」ことも忘れてはいけません。


今、同じように悩んでいる薬剤師さんへ伝えたいこと

薬剤師として働く中で、こんなふうに感じたことはありませんか?

  • 今の働き方に違和感を感じている
  • 職場の人間関係で消耗している
  • 収入の伸びしろが見えず不安
  • 薬局業務以外にもチャレンジしてみたい

もしひとつでも当てはまるなら、
「フリーランス薬剤師」という働き方を一度知ってみてほしいです。


フリーランスという選択のメリット

  • 雇い主側も健康保険の負担がなく採用しやすい
  • 薬剤師側も時給(単価)が上がりやすい
  • 合わなければ契約終了でリセットしやすい

「私には特別なスキルがない」と思っていた私でも、
フリーランスとして働けています。

薬剤師としてのキャリアに正解はありません。
でも、「自分に合う選択肢」は、意外と近くにあるかもしれません。


おわりに

今、もし働き方や将来について立ち止まっているなら、
“選び直す勇気”を持つタイミングなのかもしれません。

あなたの免許や経験は、もっと自由に使っていい。
フリーランスという働き方が、そのきっかけになれば嬉しいです。

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