こんにちは! 薬剤師のタコP🐙です。お薬のお話と40代から始まった3歳になる娘の子育てについて書いています。
リフィル処方箋とは何か?
今年2022年4月よりリフィル処方箋が導入されることになりました。リフィルとは補充、お代わりという意味です。リフィル処方箋とは例えば「30日分調剤してくださいという処方で、この処方箋は3回まで調剤してもらうことができます」というように、これまでは処方箋を発行してもらうとその処方箋は一度きりしか使えませんでしたが、複数回処方箋が使えることになります。まだどのような形になるかも決まっていない部分があるようですが、薬をもらうために病院に通っているという人にとっては時間短縮になる制度と思います。
外国ではすでに導入されている
アメリカ、イギリスなど外国ではすでにリフィル処方箋が発行されている国はいくつかあり、慢性的な病気の場合はリフィル処方箋が発行されているようです。そして今年からリフィル制度を日本も導入することになったのです。あくまでもリフィル処方箋を発行するかどうかは医師(病院)の判断です。
なぜリフィル制度を導入する必要があるのか?
医療費、患者負担削減のため
先ほども少し触れましたが、これまでは薬をもらうためには、まず病医院に行って処方箋を発行してもらう必要がありました。たとえ、「診察でほとんど何もしなくても」です。リフィル制度では、病院へは行かないので診察代はいりません。そのような人には薬局に行くだけですむことになります。大病院であれば予約を取り、それでも何時間も待たなければならない場合もあります。「病院は一日仕事」などと言われることもあります。同伴者が必要な場合は病院に行く日は同伴者も他に何も出来ない、ということになります。医療費のみならず、患者さんや家族などの同伴者の時間も節約になります。
医師がしていたことを薬剤師に権限移譲するため
現在の医療はとても高度化してあらゆる医療専門職が連携して医師の負担を経験することに重きがおかれています。そのために薬剤師も薬剤師の視点から見た患者さんへの関わり方を薬学部生時代から訓練されるようになってきました。その一環として15年程前から薬学部も6年制大学になってきたという経緯があります。
私が大学を卒業する20年くらいまえから外国にはリフィル制度があり、日本でも将来的に導入されるであろうと言われていました。しかし、当時は修業年限が4年であり、医師と同じように修業年限を6年にすることによって薬剤師の能力を高め、外国と同様にリフィル制度は認めてもらい、薬剤師の地位が向上することが期待されてきました。
我々薬剤師も診察が省略される分、次の診察までは患者さんの管理を任されることになるので、これまで以上に患者さんの変化について注意深くなる必要がでてきます。患者さん側からも何か気になることがあれば遠慮せずに相談して欲しいと思います。
これからどうなっていくか
制度が始まってもすべてリフィル処方箋になるわけではありません。短い期間の処方箋が多い開業医はあまり変化がないかもしれません。リフィル処方箋を発行するのは大学病院や市民病院のような大病院が中心になるでしょう。
もしリフィル処方箋を受け取ったら薬剤師側も最初は慣れていないので時間がかかるかもしれません。しかし、診察が省略される分、体調に変化があったら、薬局で相談するようにしてほしいのです。薬剤師としてはその相談内容で自分達で対応できることなのか、早急に近くの開業医や主治医のいる大病院で診察を受けるようにアドバイスするかを決めることになると考えられます。
このリフィル処方箋解禁によってこれまで調剤薬局は単に薬をもらうところという意識になっている方もおられると思いますが、薬局本来の健康アドバイスをするところになり、もっと薬剤師を身近に感じてもらえるきっかけになればと期待しています。
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