ドラッグストア勤務時代

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人生

病院勤務では、結核専門病院という特殊な病院であることもありましたが、薬を扱う品目が少なく、あらゆる病院、診療所から処方箋が来る調剤薬局の方がスキルアップには良いと判断しました。そして、病院では病院の仕事を動かしているのは医師、看護師であり、薬剤師は裏方で、主体的に仕事を進めていくことができないところでもあるので、病院を退職して、調剤薬局に戻ることにしたのでした。

調剤薬局というと病院のすぐ近くにあることが多いですが、仕事の幅を広げるためにちょうど募集のあった調剤室があるドラッグストアに行くことにしたのでした。

調剤併設ドラッグストアでの勤務

調剤薬局では基本的に患者さんが診察を受けた結果、処方箋を受け取り、その通りに調剤するという業務になります。調剤薬局の業務に関してよく言われることですが、薬剤師は処方する薬を選ぶ権利(処方権)はないので、医師の許可なしに処方薬を変えることができません。原則そのまま渡すだけであれば、倉庫の作業員と同じだから、国家資格など必要ないという意見もあります。外から見える部分は「作業員」的なところしか目立たないので、そのように言われてしまうわけですが、処方せん調剤は医師が薬の必要性を判断して発行した処方せんを調剤するのに対し、処方せん用薬(医師の処方せんが必要な薬)以外のもの(≒市販薬)は薬剤師が販売しても構わないのです。この部分は薬剤師が自分の判断で販売するものなので、「作業員」ではありません。

2022年よりリフィル処方箋という制度が導入され、一度の診察で3回まで薬がもらえる制度ができました。途中で診察を挟まないため、これからはより患者さんへの関わりが重要になってきます。以下に関連記事があります。

これまでは薬局勤務の薬剤師は処方箋を受けてその通りに調剤するという受け身的な仕事でしたが、これからは自らの判断が重要になる場面が増えてくるでしょう。

ドラッグストアではたくさんある市販薬の中でどのような薬を販売すればいいのか、自分で判断する必要があります。これは処方箋調剤に慣れてしまうと難しい業務になります。なぜなら、市販約を販売していない調剤薬局であれば、「診察を受けてからまた来てくださいね」で終わらせることができるからです。

ドラッグストアでよくある質問

ここで、よくある質問の例を挙げます。お客さんにとっては切羽詰まった状態であっても法律の壁があって販売することができなかったり、逆に医療用の薬にはない市販薬独自の商品があったりで、市販薬を扱い慣れるのに経験が必要になることがわかります。

歯の痛み

独自の商品がある例:正露丸または新今治水

両者ともまた、根本治療ではないので、歯科治療を受ける必要があります。

正露丸(せいろがん)

虫歯などで歯が痛むとき、歯医者に行って痛み止めの内服薬を処方してもらうのが通常ですが、忙しくて歯医者に行くことができないということで相談されることがあります。糖衣錠(とういじょう)ではない正露丸を痛む場所に詰めるという方法があります。もちろん痛み止めと併用することも可能です。正露丸自体は殺菌作用があるので、食あたりなどに使うのですが、このような使い方もあります。尚、正露丸は特定のメーカーの登録商標ではないため、数社から同じ名前で発売されています。

ただし、5歳未満の幼児は使うことができませんので、ご注意ください。

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新今治水(しんこんちすい)

小さな綿球に染みさせて痛いところに塗る薬です。

麻酔作用があるものが入っているので、正露丸よりも効果が実感できる商品になります。


けがをした時や虫刺されの常備薬

けがをしたときの抗生物質入りの軟膏はないですか?という問い合わせはよくあります。

残念ながら、市販薬では内服の抗生物質はありません。

抗生物質は軟膏のみになります。

ドルマイシン軟膏


虫刺されの場合はステロイドが配合している軟膏が適しています。

ドルマイコーチ軟膏


軽い切り傷火傷に置いておくと便利な軟膏です。

化膿していない場合はこちらを進めることが多いです。

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メモAは痛み止め(局所麻酔成分)が入っている為、効果が高いと思われますが、アレルギーのある人はキップパイロールHiにしておきましょう。

ドラッグストアでは調剤薬局ではあまり意識しない、売れ筋商品や利益商品を意識して販売していく、いわゆるテレビ広告をたくさんしていて、誰もが知っているメーカーのものはあまり利益がなく、聞きなれないメーカーのものは利益が大きい傾向がありました。

ドラッグストアに転職し、5年目で管理薬剤師(薬局の店長)になりました。店長になると年に数回、会議に出席しなければなりません。会議では各店の収支が配られ、私が所属していた店舗は常時赤字であったため、会議ではつらい時間が続きました。そして、その翌年、6年間働いてきた店の閉店が決まってしまいました。

閉店にあたり、新しくできた店に転勤することを勧められましたが、通勤時間がかなり長くなるため、ここで退職することになりました。

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