薬についてわかりやすく書いたおすすめの本

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お薬

こんにちは。薬剤師のタコP🐙です、お薬のお話と40代からの子育てについて書いています。

今回は薬剤師が薬について全く興味がない人に薬について説明するのに使いたい本を紹介します。「薬のギモン 早わかり帖」(藤井義晴著)という本です。著者はアレロパシー(=ある植物が他の植物の生長を抑える物質を放出したり、あるいは動物や微生物を防いだり、あるいは引き寄せたりする効果の総称。wikipediaより)の専門家であり、薬という漢字は草冠であることからもわかるように、かつては薬は主に植物から作っていました。そのため、植物と薬というのは密接な関係があります。そのため著者は薬剤師ではありませんが、薬について一般市民が疑問に思っている点についてわかりやすく解説しています。その一部を紹介します。基本的に本文からの抜粋になります。

一般用医薬品と処方せん医薬品との違い

  • 処方せん医薬品:医療機関で発行された処方箋により購入する医薬品
  • 一般用医薬品:ドラッグストアなどで購入者自らの判断により購入する医薬品

漢方薬と西洋医薬の違い

  • 漢方薬:古代中国で長い年月をかけて積み重ねてきた経験により体系化された医学が日本人向けにアレンジされたものが漢方医学であり、それに基づいて処方されるもの。天然の生薬を使用し、原則として2種類以上の生薬で構成されるもの。
  • 西洋医薬:化学合成されたものがほとんど。一部の例外を除いて単一成分で構成される。

真菌、細菌、ウイルスに効く薬は何?

  • 真菌に効く薬(抗真菌薬):真菌は複数の細胞を持ち、DNAとRNAの両方を持ち、しっかりした細胞壁や細胞膜が細胞の中身を包む構造を持っているため、真菌の細胞膜を破壊したり、細胞膜の合成を阻害したりする物質が薬となる。
  • 細菌に効く薬(抗生物質):細菌は独立した一つの細胞を持ち、DNAとRNAの両方を持ち、細胞壁や細胞膜が細胞の中身を包む構造を持っているため、その細胞に作用したり、細菌の増殖を抑制する物質が薬となる。
  • ウイルスに効く薬(抗ウイルス薬):ウイルスは細胞膜がなく、人間などの細胞に寄生して生活するので、治療する薬はわずかな種類しかない。ウイルスは、RNAを遺伝情報として持つものが多く、RNAに影響を及ぼす薬は人間にも猛毒になってしまう。ウイルスは免疫機能に影響するので、直接ウイルスを殺す薬以外に免疫機能を調節する薬も有効。

                                                                                                                                

新型コロナウイルス対策にはどんな薬がある?

本の中では以下のような薬が治療薬の候補として挙げられていますが、2021年6月現在ではレムデシビルのみ治療薬として承認されています。

  • アビガン:RNAウイルスが増殖する際のRNA複製を抑制するため、インフルエンザウイルス、コロナウイルスなどのRNAウイルスに効果があるといわれている。
  • レムデシビル:細胞培養レベルでは低濃度で新型コロナウイルスの増殖を抑えることから国際的に治験が始まっている。
  • カレトラ:HIVプロテアーゼ阻害薬(エイズ治療薬)として知られている。新型コロナウイルスに対する治療効果も期待されたが、まだ十分な効果は確認されていない。
  • クロロキン:抗マラリア剤として合成された薬。現在ではクロロキンに耐性を持つマラリア原虫が出現しているのでクロロキン単独で用いることは少なく、他の薬剤と併用されることが多くなっている。また、クロロキンには強い心臓毒性やクロロキン網膜症という重篤な副作用が報告されている。
  • イベルメクチン:2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智氏が作り出した駆虫薬、抗寄生虫薬。新型コロナウイルスにも効果があり、感染後に投与すると致死率を下げるとして研究が開始されている。 

読者の皆さんが今知りたいと思っておられることを書いている本であると思い、今回紹介いたしました。ぜひご一読ください。

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