薬が手に入らない?医薬品供給不足2026年の現状と対策

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「いつもの薬が今日は用意できません」「メーカーが変わりますがよろしいですか」——最近、薬局でこんな案内を受けたことはありませんか。実はこれ、あなたの薬局だけの問題ではありません。2020年末に発覚した後発医薬品(ジェネリック医薬品)メーカーの品質不正問題をきっかけに始まった医薬品の供給不足は、2026年現在も一部の薬で続いています。今回は、薬剤師の視点から、なぜ薬が手に入りにくくなっているのか、2026年に入って変わった制度、そして私たち患者ができる備えについて解説します。

なぜ「薬が足りない」と言われることがあるのか

発端は2020年12月、複数の後発医薬品メーカーで、届け出た製造方法と異なる工程で薬を作っていたことが発覚したことでした。該当メーカーは業務停止や出荷停止に追い込まれ、その品目を使っていた病院・薬局は他のメーカーの製品に切り替えることになりました。しかし、切り替え先のメーカーも急な需要増にすぐには対応できず、そのメーカーと以前から取引のあった医療機関が優先されるため、新規で欲しくても手に入らないという状況が連鎖的に広がりました。

特定の企業だけの問題では終わらなかった

一度崩れた供給網は簡単には戻りません。ある成分の薬が足りなくなると、代替として使われる別の成分・別メーカーの薬にも需要が集中し、そこでも品薄が起こる——という形で、影響が薬全体に波及していきました。今では後発品だけでなく、一部の先発医薬品(ブランド薬)にも余波が及んでいます。

2026年、供給不足はどこまで改善したのか

厚生労働省が公表している供給状況の調査によると、2025年時点でも出荷停止・限定出荷となっている医薬品は合わせて医療用医薬品全体のおよそ1割強にのぼるとされています。2025年後半にかけて「相当程度改善してきている」との評価もありますが、成分や品目によって差が大きく、2026年に入っても完全に解消したとは言えない状況が続いています。

薬局の現場でも、処方箋どおりの銘柄がすぐに揃わず、薬剤師から医師へ「同種の薬に変更してよいか」と提案(疑義照会)をするケースは、以前に比べて珍しくなくなりました。薬が変わること自体は、成分や効果を確認したうえでの提案なので過度に心配する必要はありませんが、事情を知らないと不安に感じる方も多いと思い、今回記事にしました。

2026年6月から変わった「選定療養」制度にも注意

供給不足とは別の話にはなりますが、2026年6月から、後発品のある先発医薬品(長期収載品)をあえて選んだ場合の自己負担ルールが見直されました。これまでは先発品と後発品の差額の4分の1を追加負担する仕組みでしたが、2026年6月以降はその差額の2分の1を自己負担するルールに変更されています。

例えば先発品が1錠100円、後発品が1錠60円の薬であれば、差額40円の半分にあたる20円(税込みでさらに上乗せ)を、通常の自己負担(1〜3割)に加えて支払う形になります。医師・薬局側の都合で後発品に変更される場合はこの追加負担は発生しませんが、患者さん自身が「どうしても先発品がいい」と希望した場合に対象となります。供給不足で後発品への変更を提案されたときは、この負担ルールとあわせて薬剤師に確認してみるとよいでしょう。

薬が手に入りにくいときに私たちができること

  • かかりつけの薬局を1つに決めておく(在庫状況や過去の服薬情報を把握してもらいやすくなります)
  • お薬手帳を必ず持参する(代替薬を検討する際の判断材料になります)
  • 「いつもの薬がない」と言われたら、自己判断で服薬を中断せず、薬剤師に代替案を相談する
  • 次回分を余分にもらう・複数の薬局で同じ薬をもらうなど、買いだめ的な行動は避ける(かえって品薄を悪化させる要因になります)

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お薬手帳は、いざというときに代替薬をスムーズに検討してもらうための大切な情報源です。診察券や保険証もまとめて持ち歩けるケースがあると、通院時の管理がぐっと楽になります。

かかりつけ薬局の選び方については、以下の記事もあわせてご覧ください。

【薬剤師が解説】同じ薬なのに薬局によって値段が違う理由と、賢い選び方3選

医薬品の供給不足は、私たち患者の努力だけで解決できる問題ではありませんが、事情を知っておくことで、薬局での案内にも落ち着いて対応できるはずです。気になることがあれば、遠慮なくかかりつけの薬剤師にご相談ください。

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