乳幼児の便秘対処法|綿棒浣腸・市販薬の使い方を薬剤師が解説

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何日出なければ「便秘」?まずは目安を知っておく

「うちの子、何日もうんちが出ていないけど大丈夫?」という相談は、赤ちゃんを育てる中でとてもよくある悩みのひとつです。実は赤ちゃんの排便回数には個人差が大きく、母乳育児の場合は3〜4日、時には1週間近く出ないこともありますが、機嫌がよく食欲もあり、出たときの便が柔らかければ心配のいらないケースがほとんどです。

一方でミルク育児の赤ちゃんは比較的排便リズムが整いやすく、間隔が急に空いた場合は注意が必要です。以下のようなサインがあれば、単なる排便間隔の個人差ではなく「便秘」として対処を考えるタイミングです。

  • 便が硬く、コロコロ・カチカチしている
  • 排便時にひどく苦しそう、泣いて力む
  • お腹が張って苦しそう、機嫌が悪い
  • 排便時に少量の血が混じる

まず試したい家庭でのケア

市販薬に頼る前に、まずは家庭でできるケアから試してみましょう。多くの場合、これだけで排便が促されます。

「の」の字マッサージ

おへそを中心に、時計回りに「の」の字を描くようにやさしくお腹をなでます。腸の走行に沿ってマッサージすることで蠕動運動が促されます。お風呂上がりや朝起きたタイミングなど、体が温まっているときに行うと効果的です。あわせて、仰向けにした状態で足を交互に動かす「自転車こぎ」の運動もお腹への刺激になります。

綿棒浣腸のやり方

大人用の綿棒に、ベビーオイルやワセリン、オリーブオイルなどをたっぷりつけて滑りをよくし、綿の部分が隠れる程度(1〜2cm程度)を優しく肛門に挿入して、円を描くように刺激します。食後30分ほどは腸が動きやすいタイミングのため、このころに行うとより効果的です。

「毎日続けるとクセになるのでは」と心配される方もいますが、正しいやり方であれば習慣化の心配は基本的にありません。ただし、綿棒浣腸を繰り返しても数日以上排便がない場合や、判断に迷う場合は自己判断を続けず、小児科や薬局に相談してください。

水分・食事の工夫(離乳食が始まっている場合)

離乳食が進んでいる月齢であれば、水分をこまめに与える、さつまいも・りんご・ヨーグルトなど食物繊維や発酵食品を意識して取り入れる、といった食事面の工夫も便通を助けます。

市販薬を使うときの選び方(年齢別)

家庭でのケアで改善しない場合、ドラッグストアで購入できる便秘薬という選択肢もあります。年齢によって使える薬・使い方が異なるため、パッケージの用法用量を必ず確認しましょう。

浣腸(グリセリン浣腸)

乳幼児向けの浣腸は1本10mLタイプが一般的で、年齢によって使用量が異なります(0歳は1/2個、1〜5歳は1個を目安に、1日2本まで)。お湯(40℃程度)で人肌に温めてから、寝かせた姿勢でゆっくり挿入し、注入後は肛門を軽く押さえてしばらく我慢させてから排便させるのが基本の流れです。温めすぎるとやけどの原因になるため、温度の上げすぎには注意してください。

飲み薬(マルツエキス・水酸化マグネシウム製剤など)

生後1か月〜2歳ごろまで使える麦芽糖主成分の飲み薬(マルツエキスなど)は、粉ミルクのように溶かして飲ませるタイプで、赤ちゃんにも使いやすいのが特徴です。3歳以降になると、酸化マグネシウムを主成分とする製剤(ミルマグなど)も選択肢に入ってきますが、腎機能に不安がある場合や他の薬を服用している場合は相互作用の可能性もあるため、購入時に薬剤師に相談することをおすすめします。ヒマシ油も便秘薬として販売されていますが、独特のにおいや扱いにくさから近年はあまり使われなくなっています。

いずれの薬も、パッケージに記載された年齢・体重に応じた用量を守り、自己判断で量を増やさないようにしましょう。

すぐに小児科を受診すべきサイン

以下のような場合は、市販薬やホームケアで様子を見ず、早めに小児科を受診してください。

  • 生後1か月未満で数日以上排便がない
  • お腹がパンパンに張って苦しそう、嘔吐を伴う
  • 排便時の出血が続く、便に粘液が混じる
  • 綿棒浣腸や市販薬を使っても数日改善しない
  • 体重が増えない、哺乳量・食欲が明らかに落ちている

便秘の背景に他の病気が隠れているケースもあるため、「いつもと違う」と感じたら自己判断を続けず、早めに医療機関に相談することが安心につながります。

まとめ

赤ちゃんの便秘は、まず「の」の字マッサージや綿棒浣腸といった家庭でのケアから試すのが基本です。それでも改善しない場合は、年齢に合った浣腸や飲み薬を用法用量を守って使いましょう。お腹の張りが強い、出血がある、体重が増えないといったサインがあれば、我慢せず早めに小児科を受診してください。

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