解熱鎮痛剤

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お薬

こんにちは。ドラッグストア、調剤薬局勤務歴18年の薬剤師のtakoP🐙です。

解熱鎮痛剤は高熱がでた、体のどこかが痛いときに使う薬です。総合感冒薬(風邪薬)の構成成分として入っていることもあるし、単独で商品になっていることもありますが、ここでは痛み止めのみの製品についてお話していきます。痛み止めを購入しようとしたときにどれでもいいや、と思うことが多いと思いますが、必ず守ってほしいことがあります。以下に各成分ごとに特徴を解説しながら、注意すべきことを述べていきます。

製品としては大きく分けて直接痛み止めとして働く薬のみ(単味薬と呼ぶことにします)のものと複数の成分が混合してメインの痛み止めの効果を高めたり副作用を軽減したりするもの(配合薬と呼ぶことにします)があります。医療用(病院から処方される薬)では単味のものがほとんどですが、OTCの場合は製品の特徴を出すために配合薬のものがほとんどですが、私の意見としては単味の製品、できるだけ少ない成分の製品をお勧めします。なぜなら、成分が多くなると医療用の薬が処方されている方は特にその薬に影響したり(相互作用)、眠気がでたりすることがあります。

頭痛薬として痛み止めを購入する方は多いと思いますが、目安として1月の半分以上頭痛対策として痛み止めを服用しているとしたら、薬によって頭痛が引き起こされている可能性がありますので、医療機関に受診することをお勧めします。

製品例:タイレノールA(アセトアミノフェンのみ)、リングルアイビー(イブプロフェンのみ)

アセトアミノフェン

アセトアミノフェンは乳幼児から高齢者まで使うことのできるものとなります。

アセトアミノフェン以外の解熱鎮痛剤はNSAID(非ステロイド性抗炎症剤)といわれ、服用できない方の制約がありますが、このアセトアミノフェンに関してはあまりありません。

NSAIDには共通してアスピリン喘息という薬剤アレルギーを起こす場合があり、喘息があると思っている方の一部でNSAIDをのむことにより喘息を起こしている方がいるようです。1種類のNSAIDでアスピリン喘息を起こした場合、他のNSAIDでも起こす可能性はあります。しかし医療用のものを含めると多種多様なNSAIDがあるので、もし思い当たることがある方はこのNSAIDはアレルギーが出る、このNSAIDは出ない、というのを覚えておく必要があります。

子供用の風邪薬、解熱剤はすべてこのアセトアミノフェンが入っています。高熱などでのみ薬をのめない場合も坐薬も販売されています。医療用の薬でもカロナールなどの名称で、他の薬効のものと組み合わせてPL配合顆粒、トラムセットというものにも使われています。

医療用のみにはなりますが、小さい子供には細粒、シロップがでることもあります。それだけよく使われる鎮痛剤であるために知らない間に同じものを二重にのんでいた!ということが起こりやすいです。たくさんのみ続けると肝臓が悪くなるといわれています。

しかし、大人から子供まで幅広く使うことができ、医療用のほかの薬を飲んでいてもあまり気にせずにのめるため、アセトアミノフェン配合の風邪薬は家に置いておくと便利だと思われます。

また、インフルエンザの発熱にはアセトアミノフェンがよいといわれています。市販薬で認められている量ではアセトアミノフェンは解熱効果はあるが、鎮痛効果はあまりないといわれています。

アスピリン(アセチルサリチル酸)

市販のアスピリンといえばバファリンですが、市販薬ではアスピリンが入っているのはバファリンA、バファリンライトのみです。医療用のものはバファリン=アスピリンです。

アスピリンはピリンと付いていますが「ピリン系」ではありません。NSAIDの中でもサリチル酸系と呼ばれるものです。痛み止めといえばアスピリンのイメージが強いとは思いますが、医療用では抗血小板薬(血液をサラサラにする薬)で使われることが多いです。アスピリンは量が少ないとき(100mgまで)は抗血小板薬となり、多くなると(300mg以上)では痛み止めになるという面白い特性を持っています。

痛み止めの用途で使い続けると胃に負担がかかり、消化性潰瘍になることが時々あります。そのため、胃薬に相当するものが一緒になっています。アセトアミノフェンよりも痛み止めの効果は強いと考えられます。

服用できない方:15歳以下の小児、アスピリン喘息の方、胃潰瘍のある方、出血傾向のある方、妊婦、授乳中の方。

イブプロフェン(セルフメディケーション税制対象)

NSAIDの中ではプロピオン系といわれるものになります。風邪薬では解熱鎮痛剤ではアセトアミノフェンまたはこのイブプロフェンのどちらかといってもよいくらいでしょう。アセトアミノフェンと比べると痛み止めの作用が強くなります。しかし、15歳以下の子供は飲めないなどの制約があります。痛み止めの強さはアスピリンと同等と考えられます。

服用できない方:15歳以下の小児、アスピリン喘息のある方、胃潰瘍のある方、妊婦、授乳中の方。

イブプロフェンが入っている商品例:イブA錠、リングルアイビー

イソプロピルアンチピリン

ピリン系の痛み止めです。アレルギーのある方ではピリン疹という水疱ができることがあります。作用が強いものですが、最近では入っている商品は少数派になってきています。解熱作用は特に強いと考えられます。

ロキソプロフェン

医療用でもよく使われるロキソニンと同じものです。1錠に入っている量も同じです。これは1類医薬品になるので、棚には並んでいないものになります。アスピリン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリンよりも効果は強いと考えられます。

服用できない方:15歳以下の小児、アスピリン喘息のある方、胃潰瘍のある方、妊婦、授乳婦の方。

その他

ここからは1~5を主としてその作用を補助したり、副作用を軽減したりする働きをもっているものをあげます。

エテンザミド

アスピリンと同じような作用はありますが、アセトアミノフェンやアスピリンと一緒になっている場合が多いです。作用を強める効果があります。

無水カフェイン

コーヒーなどに含まれているカフェインです。カフェインも作用を強める効果があります。栄養ドリンクやカフェイン配合飲料を飲む場合、飲み過ぎに気を付ける必要があります。

乾燥水酸化アルミニウムゲル、酸化マグネシウム、合成ヒドロサルタイト

NSAIDの胃を痛める副作用を軽減するためのものです。

ブロモバレリル尿素

NSAIDの効果を高めます。眠気が出る事があるので、車の運転はできません。

以上が解熱鎮痛剤の解説になります。

皆さんの購入の際の参考になれば幸いです。

※体調や症状等によって適切な薬剤は異なります。また、生じた不利益等は負いかねますのでご了承ください。あくまで参考にしていただければ幸いです。
※体調変化や副作用が疑われる場合はお近くの医療機関へおかかりください。
※製剤の最新情報は、各製薬会社のHPをご覧ください。

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