フリーランス薬剤師の案件選び|時給より先に見ている3つのこと

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案件の一覧を眺めていて、どれを選べばいいか決め手がない。フリーランスや派遣で働く薬剤師なら、一度は経験があるのではないでしょうか。時給を見て、自宅からの距離を見る。ここまでは誰でもやります。問題はその先です。条件が似た案件が並んだとき、何を手がかりに決めればいいのか。この記事では、筆者が実際に見ている3つのことを紹介します。あわせて、なぜ「悪いところを避ける」から「行きたいところを選ぶ」に考え方が変わったのかも書きます。

なお、このブログでいう「フリーランス薬剤師」は、薬局などと雇用契約を結ばず、業務委託などの形で働く薬剤師のことです。働き方の全体像はフリーランス薬剤師って実際どう?メリット・デメリットを本音で語るにまとめています。

フリーランスになると、現場での立ち位置が変わる

案件の選び方の前に、立ち位置の話をさせてください。ここが変わるから、選び方も変わるからです。

雇用契約のない立場で働くようになって、いちばん変わったのは考えることでした。この店にどのような貢献ができるかを、常に考えるようになったのです。社員であれば、日々の業務をこなしていれば時間は過ぎていきます。しかしフリーランスは、呼ばれた理由があって、そこにいます。

「社員ではない」というのは、気楽に見えるかもしれません。実際、人間関係のしがらみからは距離を置けます。ただ、その分だけ周りの目も厳しくなっている気がします。自由と引き換えに、常に見られている立場だということです。

一方で、悪いことばかりでもありません。組織の内部にいないからこそ、中立的な立場で仕事を見ることができます。社内の力関係や過去の経緯に引っ張られずに、目の前の業務を評価できる。これは、いくつもの現場を見るからこそ得られる視点だと思います。

つまり、どの案件でも同じように働けるわけではない、ということです。貢献できるかどうかは職場によって変わります。だからこそ、どこで働くかの選び方が効いてきます。

時給と距離の先に、何を見ているか

筆者が案件を検討するとき、実際に見ているのは次の3つです。

見ているものなぜ見るか
時給条件として当然。ただしこれだけで決めたことはない
自宅からの距離通う負担は毎回かかる。続けられるかどうかに直結する
会社のホームページ(理念のページ)どういう考えの会社かを、応募する前に確かめられる唯一の材料

最初の2つは、おそらく多くの方が見ているはずです。説明が要るのは3つ目でしょう。

案件そのものの条件ではなく、その会社が何を考えているかを先に見ます。具体的には、ホームページの理念のページです。経営者がどういう言葉で自社を語っているかを読みます。

すべてをそれで決めるわけではありません。理念が立派でも現場が違うことはありますし、逆もあるでしょう。それでも、一緒に働いてみたいと思えることが書いてあれば、ぜひ行ってみたいと感じます。その一文があるかどうかで、同じ時給の案件でも印象がまるで変わります。

なぜ「避ける」ではなく「選ぶ」なのか

薬剤師の転職や働き方の情報には、悪いところを見抜くための話が多くあります。「こういう職場は危ない」「求人票のここに注意」といった内容です。筆者も以前は、そういう目で案件を見ていました。

ただ、いまは違う考え方をしています。避けようとするのは、経験上かなり難しいからです。求人票や面談で分かることには限りがあり、実際に入ってみないと分からない面があります。人間関係も、忙しさの質も、外からは見えません。見抜こうと身構えても、当たらないことのほうが多いのです。

そこで、あえて「行きたいところ」にフォーカスすることにしました。悪いところを探して消していくのではなく、ここで働いてみたいと思える理由があるかどうかで選ぶ。考え方を裏返した、という感じです。

この方法なら失敗しない、という話ではありません。行きたいと思って選んでも、合わないことはあります。ただ、少なくとも自分で選んだ理由が残ります。納得して始めた仕事と消去法で残った仕事とでは、同じ現場でも見え方が違うはずです。

この働き方をすすめにくいのは、どういう人か

最後に、正直なところを書いておきます。フリーランスという働き方は、誰にでもすすめられるものではありません。筆者がすすめにくいと感じるのは、次のような場合です。

  • 薬剤師としての経験が浅い場合。貢献できるポイントがまだ少なく、呼ばれた理由に応えにくい
  • 自分で仕事を探し、ときには提案することが負担に感じる場合。待っていても案件は来ない
  • その現場で期待されている役割を読み取るのが難しい場合。これは契約相手の会社にもよるところです

いずれも、向いていないという話ではなく、準備ができているかどうかの問題だと考えています。経験が浅いなら、まず現場で引き出しを増やしてからでも遅くありません。何年以上といった線引きがあるわけでもないので、自分が今どの段階にいるかを見て決めるのがよいと思います。

収入や社会保険の実際については、別の記事に書いています。

在宅・電話なしで自由に働く!フリーランス薬剤師のリアルな1日と収入事情

どういう経緯でこの働き方にたどり着いたかは、以下の記事にまとめています。

【体験談】転職ばかりだった私がフリーランス薬剤師になって働きやすくなった理由

どの案件にも、当たりはずれはあります。それは避けようがありません。ただ、行きたいと思って選んだ現場なら、合わなかったときでも自分の判断として引き受けられます。案件一覧の前で迷ったときは、時給と距離を確認したあとに、その会社のホームページを開いてみてください。