調剤薬局はその立地により金額が異なる

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医療制度

はじめに

こんにちは。薬剤師のタコ🐙です。今回はなぜ薬局によって払う金額が変わるのか?調剤報酬の計算の方法についてお話していきます。調剤薬局に求めるニーズは人によって違うと思いますが、同じ薬をもらうならできるだけ安くしたいというのが最も多いと考えられます。そこで、まず結論から申し上げますと出来るだけ安くするためには病院の建物の中にある調剤薬局に行くのが一番安くなる可能性が高いです。その次が大きな病院の前にある薬局で多くの処方箋を受け付けている薬局となります。しかし、後で述べますが、そのような薬局はとても忙しく患者さん一人一人に時間が取れないことが多く、どうしても機械的な対応しかできないのが現状であると考えられます。

本格的に医薬分業(病医院で診察し、薬は調剤薬局でもらうこと)を進める中、調剤薬局は病院から独立していなければならないということで病院の敷地に薬局を作ることは認められていませんでした。 しかし、最近その規制が緩和されて大病院では病院の敷地に調剤薬局を営業するようになりました。これを通称敷地内薬局、これまでの病院の門前(=門前薬局)に対して門内薬局と呼ばれています。尚、病院の薬局(=薬剤部)とは違います。

では、具体的にどのように調剤報酬が決まっているか述べていきます。薬局によって金額が異なるのは技術料といわれるところが異なるのであって、調剤薬局でどのような技術料を取っているかは領収書と同時にもらう調剤報酬明細書に書いてあります。調剤薬局に異なるところを中心に述べていきます。これは令和2年からのものであり、来年以降は変わる可能性があります。

基本的に調剤基本料というものがあり、これが調剤薬局によって金額が変わります。この調剤基本料に加えて一定の条件を満たせば加算というものが入るという構造になっています。点数というものが出てきますが、すべて1点=10円です。これは病医院(=医科)の点数でも同じです。

調剤基本料

調剤基本料1(42点または34点)

大きな病院の前にはない、クリニックの前、ドラッグストアの中にある店舗などはたいていこの点数です。このカテゴリーでも店の規模が多様ですが、スタッフの人数が比較的少ないことが多く、希望すれば同じ薬剤師の担当にできたりと融通が利きやすいことが特徴です。また、大病院の門前薬局は土曜日が開いていないこともありますが、ほとんどは土曜日も開いています。店によっては土曜日の午後、日曜日も開いていたりすることもあります。また、複数の病院から2枚以上処方箋を同時に持ち込むと2枚目以降からは1枚につき34点になり、少し安くなります。

適している方:大病院にかかっているが、そこから家が遠く待ち時間を有効活用したい方、家の近くの薬局がいい方、使っている薬のことを時間をかけて相談したい方。

調剤基本料2(26点)

比較的流行っている開業医さんの前にある薬局でほとんどその開業医さんからの患者さんの場合この点数になります。この点数のところは少ないです。

調剤基本料3(21点または16点)

大病院の前にある薬局で全国チェーンのところはほとんどこの点数になります。時間がかかることが多いですが、かかる料金は安く済みます。きめ細やかな対応は難しい傾向にあります。点数が2種類あるのはその薬局を経営している会社がどれだけの店舗を経営しているかによります。低い点数の方が規模が大きいです。

難病の方など大病院でなければ診察が難しい方は調剤基本料1の町の薬局に行くと薬がすぐそろわないことがあります。そのため、取り寄せになると翌日になったりすることもあるので、病院の前でもらっておく方がよい場合があります。CMなどで名前をよく聞く薬局はこの点数と思って良いと思います。

適している方:とにかく料金を安くしたい方、特殊な病気の方。

特別調剤基本料(9点)

敷地内薬局の点数です。もし敷地内薬局がある病院であれば調剤基本料3の薬局よりもお得です。

まとめ

このように薬局には特色ごとに報酬が少し違います。国(厚生労働省)は町の薬局(主に調剤基本料1の薬局)と大量の処方箋を扱う薬局(主に調剤基本料3の薬局)に役割分担をさせようとしています。そして後者のような薬局は業務効率がよいとしてこの点数を抑えられている傾向にあります。

尚、傾向はお話しましたが、例外もありますので、ご自身の普段行かれている薬局がどの点数を取っているかは各地方の厚生局のホームページにあります。

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/hokkaido/gyomu/gyomu/hoken_kikan/todokede_juri_ichiran.html (北海道厚生局HPより)

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tohoku/gyomu/gyomu/hoken_kikan/documents/201805koushin.html(東北厚生局HPより)

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/chousa/kijyun.html(関東信越厚生局HPより)

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/gyomu/gyomu/hoken_kikan/shitei.html(東海北陸厚生局HPより)

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/tyousa/shinkishitei.html (近畿厚生局HPより)

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/shikoku/gyomu/gyomu/hoken_kikan/shitei/(四国厚生支局HPより)

今や調剤薬局はコンビニエンスストアの数よりも多いといわれています。国は決まった薬局(=かかりつけ薬局)を国民一人一人に持ってもらうような政策をしています。その証拠を次回お示しいたします。続きの記事になります。

このブログでご自身の信頼できる薬局を探すきっかけになれば幸いです。大病院以外では病院から薬局に処方箋のFAXをしてくれない時にはスマートフォンで処方箋の画像を送ってFAXの代わりにするシステムがあります。すべての薬局が対応しているわけではありませんが、対応している薬局であれば、便利なシステムであるので、検討してみる価値はあると思います。

種類2

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