こんにちは。薬剤師のタコp🐙です。
2026年現在、薬学部(6年制薬学科)を設置する大学は全国で81校にのぼります。しかも、姫路独協大学や医療創生大学が薬学部の募集停止を発表する一方で、文部科学省は2025年度以降、原則として6年制薬学部の新設や定員増を認めない方針を打ち出しました。薬学部に限りませんが、大学生を集めて地域振興をしようとしているのではないかと思えてなりません。大学生が増えれば地域は活性化するのかといえば、必ずしもそうとは言えないのではないでしょうか。地方都市は若い人が暮らしていくには不便な点があると思います。
薬学部薬学科(6年制)が日本全国に乱立し、一方で募集停止や定員減に追い込まれる大学も出てきている現状を踏まえて、これから大学に入学する学生さんたちが幸せに生きていけるにはどのようにすればよいか、私なりに考察していきます。
薬剤師に挑戦するチャンスは増えているが・・・
薬学部の定員はこれまで増え続け、薬剤師を目指したい学生にとって挑戦しやすくはなっています。しかし、私立大学の薬学部では約半数が定員割れという厳しい状況が続いています。入学のハードルが下がった結果、大学の講義についていけない学生が増えてきていると聞いています。
大学の講義は大学受験で問われることとは違いますが、それでも講義についていくための学力さえもない学生がいるのは不幸なことです。決して安くはない学費を払って、薬剤師になるという夢を持って一人暮らしをしながら学校に通うも進級できず、留年してしまうとなると学生本人も親御さんもつらいことです。
国公立と私立の授業料の格差
その授業料ですが、2026年現在の目安は以下のとおりです。
- 国公立大学:入学金+6年間の授業料で合計約350万円(年間授業料 約54万円)
- 私立大学:入学金+6年間の授業料で合計約1,000万〜1,400万円(年間授業料 約160万〜220万円)
私立大学と国公立大学の学費差は約3〜4倍、金額にして約650万〜1,050万円もの差があります。見かけの差だけでも大差がありますが、私立大学の場合は単位を取るための試験を受けるのに有料なところもあるそうで、試験に合格できないと何度も払わなければならないことになります。入学してみないと分からない費用もあり、実際の格差はより大きくなります。
なお、令和6年度から大学無償化制度の対象が拡大され、条件を満たせば薬学部でも学費を軽減できる可能性があります。経済的な不安がある方は、入学前にぜひ確認してみてください。
卒業して未来はあるのか?
私立の場合、大学側も学校経営があるので学生の人数は必要でしょうが、医療系国家資格を目指す大学では、最後に国家試験の合格率の高さが学校の評価につながるため、結局留年させればいい、国家試験受験を延期させればいいと考えるのはどうなのでしょうか?授業料や生活費のため、多くの学生が奨学金を借りているそうです。昔からお金のない学生は奨学金を借りていたといわれればそうなのかもしれませんが、現代と比べると大学進学率が全く違います。
今の世の中で高校卒業の学歴で就職できるところが少ないです。いや、大学卒業でも就職が難しい場合もあります。そのため、国家資格の取得できる学部に人気が集まっているのですが、薬剤師もいよいよ供給過剰になってきています。
厚生労働省の需給推計によると、2045年頃には最大で約12万6千人の薬剤師が余る可能性が指摘されています。実際、2026年2月実施の第111回薬剤師国家試験の合格率は68.49%(受験者12,774人、合格者8,749人)で、合格率は近年68〜72%の範囲で横ばいが続いています。入学定員は増えているのに国家試験合格者は横ばい状態。その分、不合格になっている学生が増えているということです。
新卒薬剤師の初任給にも職場による差が大きく、ドラッグストアでは月30万円前後なのに対し、病院では月20万〜25万円程度です。本来なら病院就職を希望していたが、奨学金を返すために給与の高いドラッグストアに就職した、というケースは今もよく聞かれます。これから入学して6年後、現在と同じくらいの収入があるのかどうか、慎重に見極める必要がある状況です。
これから薬学部を目指す方へ
せっかく6年間勉強したのだから、本当に自分の進みたい方向に進めるようにしたいものです。定員を増やして門戸を広げるのもいいかもしれませんが、進級させられない、国家試験に合格する可能性が低いからという理由で卒業できず、受けさせない学生が大量に出るくらいなら、入学させないことを考えた方がいいのでしょうか?
大学入学時は早く進路を決めたいと思うものですが、入学すると思っていたところと違うとモチベーションが下がってしまう学生さんもいます。そのようなことは決して珍しいことではないので、進路変更がしやすい環境になってくれればと思っています。
薬学部薬学科は6年制になり、薬剤師国家試験の受験資格を得るには他の学部より2年長く在学する必要があります。薬の研究者や学者を希望する学生であれば、理学部の方がいいかもしれません。進学する際にはよく考えて進学先を決めてほしいです。
薬学部薬学科が6年制になったのは、高度な知識が求められるようになってきたためです。調剤薬局や病院では、薬を棚から取るのが主だった時代から、薬の効果を患者さんの状態を確認して判断できる能力が求められるようになっています。これからはAIやテクノロジーの活用も進んでいくでしょう。それは経験も必要なことなのであわてる必要はないと思いますが、そのような仕事であるということが頭の片隅にあればいいかと思います。
皆さんの意見がありましたら、お問い合わせフォームからよろしくお願いいたします。

コメント