こんにちは。薬剤師のタコP🐙です。今回は鼻炎薬(抗ヒスタミン薬)についてお話します。抗ヒスタミン薬の副作用は眠気、のどの渇きが共通した頻度の高い副作用ですが、抗ヒスタミン薬は古くからある第一世代、改良されその副作用が少なくなった第二世代に分けられ、従来、OTCは第一世代のものがほとんどでしたが、最近は元々医療用の薬だった第二世代の薬が市販でも購入できるようになってきています。第二世代のものは鼻炎、鼻づまりに加え、皮膚の痒みに使うこともできます。
1.第一世代抗ヒスタミン薬
クロルフェニラミンマレイン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩
第一世代抗ヒスタミン薬は市販薬には最もよく使われている薬です。眠気が比較的強く、車の運転は控えることとなっています。また、口の渇き、便秘も起こりやすいです。ほかの成分と混合して売られていることが多いです。
クレマスチンフマル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩も使われていることがあります。
服用できない方:前立腺肥大、緑内障の方
2.第二世代抗ヒスタミン薬
第二世代抗ヒスタミン薬は現在も花粉症、鼻炎症状だけではなく、皮膚の痒みにも使われているものもあります。基本的に医療用で使う用量と同じものとなります。先に述べた第一世代抗ヒスタミン薬は他の薬効のものと混合されて製品となっていますが、第二世代抗ヒスタミン薬はその成分単独で製品になっています。価格は第一世代が入っている製品より高くなりますが、効果と副作用のバランスを考えるとお勧めしやすいです。
皮膚の痒みに使えるものと使えないものがあるので、購入するときは注意してください。
第二世代抗ヒスタミン薬は妊娠中の方、15歳以下の小児は服用できません。
セルフメディケーション税制の対象のものになります。
病院にかかっているが、受診出来なくて薬が足りなくなった場合や、またはとりあえず数日間効果があるかどうか確かめて、更に必要であれば、受診し継続してのみたい時に購入すると良いと思います。
また、1日2回のむものと、1日1回でよいものとあります。ライフスタイルに合わせて選んでいただけるとよいと思います。
A.1日2回のもの
a.メキタジン
第二世代抗ヒスタミン薬の中でも最も古いものになります。この種類の中では眠気が少し強いです。皮膚の痒みにも使えます。車の運転はできません。
服用できない方:前立腺肥大、緑内障の方。
b.ケトチフェン
この薬も第二世代の抗ヒスタミン薬の中では眠気が強いものになります。車の運転はできません。てんかん発作を引き起こすことがあることが分かっているため、その経歴がある方はのむことができません。
皮膚の痒みには使えません。
服用できない方:てんかんを起こしたことのある方。
c.アゼラスチン
皮膚の痒みにも使えます。車の運転はできません。
d.フェキソフェナジン
車の運転を禁止する注意書きがありません。ただし、胃薬の一部である制酸剤と呼ばれる水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム、抗生物質のエリスロマイシンを服用している方は使うことができません。
B.1日1回のもの
これらはすべて皮膚の痒みには使えません。
a.エピナスチン
車の運転はできません。
b.エバスチン
車の運転はできません。エピナスチンと比較して眠気が出る頻度は少ないと思われます。
c.ロラタジン
車の運転を禁止する注意書きがありません。
第一類医薬品のため、薬剤師のいる店舗でしか購入することができません。
d.セチリジン
腎臓病の方、喘息の薬であるテオフィリン、ウイルス感染症の薬であるリトナビル、不整脈の薬であるピルジカイニドをのんでいる方は使えません。車の運転はできません。
3.抗ヒスタミン薬に配合されている薬
A.抗コリン薬
ヨウ化イソプロパミド、ベラドンナ総アルカロイド
神経に働き、鼻水症状に効果のある薬の総称です。
口の渇き、眠気、目のかすみが現れることがあります。
第一世代抗ヒスタミン薬自体も同じような副作用があります。
そのため、副作用が強く出ることがあります。
B.血管拡張薬
プソイドエフェドリン、フェニレフリン
血管を収縮して充血、鼻づまりを解消する薬です。
血管を収縮させるため、長期服用すると血圧が上昇することがあります。
C.その他
a.ビタミン剤
- リボフラビン:皮膚炎に効果があるといわれているビタミンです。総合ビタミン剤やドリンク剤にも入っているものです。尿の色が黄色くなることがあります。
- ピリドキサール:皮膚や粘膜の健康に必要なビタミン剤です。
- パンテノール:皮膚炎に使うビタミン剤です。
- アスコルビン酸:色素沈着の予防になると言われているビタミン剤です。
b.抗炎症剤
1.グリチルリチン酸:漢方薬の甘草という生薬の成分と同じものです。漢方薬をのんでいる場合は
避けた方が無難です。
2.リゾチーム塩酸塩:卵の成分です。卵アレルギーの方はのめません。
c.グルコン酸カルシウム
蕁麻疹、湿疹に使う薬です。
D.点鼻薬
a.抗アレルギー薬
ケトチフェン、クロモグリク酸、クロルフェニラミン
b.血管拡張薬
ナファゾリン、テトラヒドロゾリン
c.ステロイド(強い抗炎症作用のある薬)
フルチカゾン、フルニソリド
季節性アレルギー限定という条件が付いています。
効果が他のものよりも強い分、花粉症がとてもひどいときのみということですね。
要指導医薬品となっているので、本人が購入したいとカウンターで伝える必要があります。
※体調や症状等によって適切な薬剤は異なります。また、生じた不利益等は負いかねますのでご了承ください。あくまで参考にしていただければ幸いです。
※体調変化や副作用が疑われる場合はお近くの医療機関へおかかりください。
※製剤の最新情報は、各製薬会社のHPをご覧ください。
※記述が正確ではないところもありますが、分かり易い表現に変えているところがあることをご了承ください。
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