自治体から帯状疱疹ワクチンのお知らせが届いたものの、「生ワクチン」と「組換えワクチン」のどちらを選べばいいか迷っていませんか。
先に結論をお伝えします。対象の年齢の方は、その年度のうちなら公費の補助を使って接種できます。選ぶときは「効き目の強さと長持ち」を取るか、「回数の少なさと費用」を取るかがポイントです。ただし、飲んでいる薬や受けている治療によっては選べない種類もあります。この記事では、定期接種の対象、2種類のワクチンの違い、接種の前に伝えてほしいことを、薬剤師の立場から整理します。
帯状疱疹ワクチンの定期接種の対象は?
帯状疱疹ワクチンは、2025年度から国の定期接種になりました。2026年度の対象は、この年度のうちに65歳になる方です。
さらに2029年度までの5年間は経過措置として、その年度に70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳になる方も対象です。また、60〜64歳で、HIVによって免疫の機能に重い障害がある方も対象に含まれます。
注意したいのは、定期接種として公費で受けられるのは対象の年度だけという点です。その年度を過ぎると、原則として全額自己負担になります。まずはお住まいの自治体から届くお知らせや広報を確認し、ご自身が今年度の対象かどうかを見ておきましょう。
生ワクチンと組換えワクチンの違い
接種の回数と方法
生ワクチンは、腕の皮膚の下に1回接種します。組換えワクチンは、肩の筋肉に2回接種し、2回目は原則として2か月以上あけます。
効き目と持ち
厚生労働省の資料では、帯状疱疹を防ぐ効果は次のようにまとめられています。
- 接種から1年の時点:生ワクチン6割程度、組換えワクチン9割以上
- 接種から5年の時点:生ワクチン4割程度、組換えワクチン9割程度
- 接種から10年の時点:組換えワクチン7割程度
帯状疱疹が治った後も痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」についても、接種から3年の時点で、生ワクチンは6割程度、組換えワクチンは9割以上の効果と報告されています。帯状疱疹は70歳代で発症する方が最も多い病気です。長く効くのは組換えワクチンのほうだといえます。
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副反応と費用
厚生労働省の資料によると、組換えワクチンでは注射した所の痛みが70%以上の方に、赤み・筋肉痛・疲れが30%以上の方に、頭痛・腫れ・寒気・発熱などが10%以上の方にみられます。生ワクチンでは、注射した所の赤みが30%以上の方にみられます。
特に組換えワクチンは、接種の後にだるさや熱が出ることがあります。接種の後は、予定を詰め込みすぎない日を選ぶと安心です。
自己負担の金額は自治体によってかなり違います。回数が2回になるぶん、組換えワクチンのほうが合計の費用は高くなります。金額はお住まいの自治体の案内で確認してください。
接種の前に必ず伝えてほしい2つのこと
1.免疫を抑える治療を受けている方
ステロイド、免疫抑制剤、抗がん剤などで免疫を抑える治療を受けている方は、生ワクチンを受けられません。その場合は組換えワクチンになりますが、接種する時期は医師が体の状態を見て決めます。
2.血液をサラサラにする薬を飲んでいる方
組換えワクチンは筋肉への注射です。抗凝固薬など、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は、注射した所から出血するおそれがあります。接種の日はお薬手帳を持って行き、飲んでいる薬を必ず伝えてください。
ほかのワクチンと同じ日に受けられる?
どちらの帯状疱疹ワクチンも、医師が必要と認めれば、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザ、新型コロナのワクチンと同じ日に受けられます。
間隔に決まりがあるのは生ワクチンで、ほかの生ワクチンとは27日以上あけることになっています。同じ日にまとめるか日を分けるかは、体調や副反応のことも考えて、かかりつけの医師と相談してください。組換えワクチンを選ぶ場合は、2か月後の2回目の予定も先に立てておくと安心です。
まとめ
- 対象の年度なら、公費の補助を使って接種できる
- 長く効くのは組換えワクチン、回数と費用を抑えるなら生ワクチン
- 免疫を抑える薬や、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は、必ず先に伝える
- ほかのワクチンの予定がある方は、そのことも考えて日程を立てる
この内容は、YouTube「TA医療夫婦チャンネル」で、薬剤師と臨床検査技師の夫婦が対談形式でも解説しています。
※この記事は一般的な情報をまとめたもので、個別の診断や治療に代わるものではありません。費用や実施方法は自治体によって異なります。接種の判断は医師にご相談ください。


