咳止め

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市販薬

こんにちは。薬剤師のタコ🐙です。今回は咳止めの話になります。咳止めの商品は錠剤、散剤、カプセル、シロップと多様で、解熱鎮痛薬、抗ヒスタミン薬とは異なり、子供向けのものがたくさんあり、その大半がシロップ剤になります。そのようなシロップは飲みやすい味が付いている場合があります。子供向けのものは、後ほど述べますが、ジヒドロコデインリン酸塩を含んでいるものはのませることができません。

例:アネトンせき止め液新ブロン液エースなど

1.咳を直接止める薬

A.ジヒドロコデインリン酸塩

咳止めで使われる薬では最も強く効く薬です。しかし、麻薬成分であり、医療用でも濃度の濃いものは厳しく管理されています。そのため、OTC薬で売られているものは濃度は薄くはなっていますが、1人1本までなど、販売制限が付いていることがあります。なぜなら、継続してのむと依存性ができてしまうことがあるため、必要最小限にしなければなりません。

副作用は麻薬に特徴的な呼吸抑制、眠気、便秘が多いですが、12歳以下の小児には特に副作用が出やすいため、医療用でも処方することが禁止されました。そのため、子供用のシロップ剤は他の成分が入っています。授乳している方も母乳にこの成分が入ってしまい、赤ちゃんがのんでしまうことになるため、のむことができません。

のめない方:授乳している方。12歳以下の小児。車の運転をする方。

B.デキストロメトルファン

ジヒドロコデインリン酸塩より咳を止める効果は弱いですが、麻薬扱いではないため、小児から大人までのむことができます。眠気の副作用はあるため、車の運転は控えるようになっています。

のめない方:車の運転をする方。

C.ノスカピン

ほとんどはジヒドロコデインリン酸塩またはデキストロメトルファンですが、ノスカピンというものが入っている場合もあります。眠気の副作用はあるため、車の運転は控えるようになっています。

d.チペピジン

子供用のシロップ剤で入っていることがあります。眠気は起こりません。尿が赤みがかった色になることがありますが、チペピジンヒベンズ酸塩が排泄されるときに色がつくもので心配ありません。

2.痰を切る薬

a.気管支を広げて、呼吸を楽にするもの

1.メチルエフェドリン

2.メトキシフェナミン、トリメトキノール
まれに手の震えが起こることがあります。

3.ジプロフィリン、テオフィリン
カフェイン服用で悪心,嘔吐、頭痛、頻脈が起こることがあります。

b.痰を出しやすくする薬

グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、カルボシステイン、ブロムへキシン 

3.アレルギーによる咳を止める薬

クロルフェニラミン、カルビノキサミン、ジフェンヒドラミン

前回の抗ヒスタミン薬と同じものです。

4.その他

a.無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン

眠気を抑えます。

b.トラネキサム酸

炎症を抑えます。

c.リゾチーム

炎症を抑えます。卵の成分が入っているため、卵アレルギーの方は使うことができません。

d.生薬成分

ナンテンジツ、キキョウ、セネガ、オウヒ、カンゾウ、マオウ、ゴミシ、バクモンドウ、
ソヨウ、トコン

咳に効果のある生薬として上記のような生薬があります。

おわりに

咳止めに限りませんが、似た名称のものがOTCでは多くあります。たとえば咳止めではエスエスブロン液L、新ブロン液エースデキストロメトルファンジヒドロコデインリン酸塩の違いがありますので、注意して購入してください。

全体的に眠気が出るものが多いです。眠気が気になる方は漢方薬の麦門冬湯をお勧めします。
あまり知られていないものですが、紹介してきたものとあまり効果に違いがなく、子供でも量を減らして使うことのできる薬となります。風邪薬のコーナーにはたいていあると思います。

以上が咳止めになります。皆さんの参考になれば幸いです。

※体調や症状等によって適切な薬剤は異なります。また、生じた不利益等は負いかねますのでご了承ください。あくまで参考にしていただければ幸いです。
※体調変化や副作用が疑われる場合はお近くの医療機関へおかかりください。
※製剤の最新情報は、各製薬会社のHPをご覧ください。

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